2005年 03月 31日
目撃者 Witness (1985) ★★★★☆
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1985年作、って20年前!
アーミッシュ(注:下記)の男の子が殺人事件を偶然目撃してしまう。敏腕刑事のジョンブック(ハリソンフォード)は男の子とその母親を守りながら捜査を進ませ、犯人が警察の内部にいることが分かり・・・どうやこうやという映画。
ハリソンフォード主演作の中でも地味な作品だけど、この映画では他のヒーローもの映画と違いヒューマニズムを重視した繊細な演技が見られる。特にアーミッシュの社会にどうにか溶け込もうとするとこなんか可愛らしくてしかたがない。途中でハッと気がついたけどこの映画はタイトルが指すところの犯罪ドラマなんかではなく、アーミッシュの人々と消費主義にスポイルされた現代人との心の距離を表現した映画だと思う。質素なものに対する憧れを煽る作品では決してない。これは現代人、アーミッシュ双方の生き方にアイロニーを感じつつそれでも人類賛美を辞められない人のための映画だ。
この映画はラストシーンが肝。かなたへ消えていくハリソンフォードに、振り向いて帰ってきて!って絶対言いたくなる。どうしようもなく切ない。
(注)
アーミッシュとはキリスト教の一派で平和主義者、宗教上の理由から現代社会生活を拒否し、簡素な自給自足生活を営んでいる人たちです。
by tomboze
| 2005-03-31 21:12
| マ行